4、聖書の背景

エルサレムの地形や、呼び名の意味を知っていると聖書理解に役立ちます。特に、主イエスの十字架前後の出来事は同地の地理を知ることにより立体的な把握ができます。


◎エルサレムと聞いて、どんなことを連想しますか。


1、呼び名について
1)シャレム 「平和」という意味。 創世記14:18
2)エルサレム 「平和の町」という意味。
3)シオン 「要害」という意味。 詩篇48:1~2
 ダビデが都とした丘部分を最初は指した。神殿が完成後は、神殿のある丘も含めて呼ばれた。
4)ダビデの町 ダビデが都と定めたことから。第2サムエル5:7

2、地形
海抜790メートル。地中海から直線距離で約53キロ。死海北端から22キロ。
周囲を山に囲まれる天然の砦。詩篇125:1~2「山々がエルサレムを囲むように」
東にケデロンの谷、南と西がヒノムの谷、北部は山につながる。
町の中にはチロペオンの谷があり、上の町と下の町に分けられる。
年間平均気温は25度。東側にオリーブ山があり、ゲッセマネの園がある。
ギホンの泉があり、一日に2~5回わき出す。ヒゼキヤ王が533メートルのトンネル水路を掘った。第2歴代32:30この水をシロアムの池に導いている。

3、歴史
エルサレムには紀元前4000年ごろから人が住んでいた形跡がある。
メルキゼデク王がシャレムにいた。 創世記14:18
エブス人の町だった。 第2サムエル5:6~7
ダビデが都と定める。 第2サムエル5:9
ダビデがオルナンの打ち場を買い取る。 第1歴代21:18
ソロモン王はモリヤの地に神殿を作った。 モリヤは「ヤハウエが備える地」の意味。
 創世記22:2、第2歴代3:1
エルサレムはバビロンにより586年に滅ぼされた。第2列王25:8~9
ヘロデ大王は20年をかけ新しい神殿を完成させた。

4、主イエスとエルサレム
主イエスは両親と一緒にエルサレムに上った。ルカ2:22
過ぎ越しの祭りの際、エルサレムに上り、宮きよめをされた。ヨハネ2:13~25
仮庵の祭りに都に行かれた主イエス。ヨハネ7:10
十字架につかれた場所がエルサレム。
天に帰られたのがオリーブ山。使徒1:9~12

5、使徒たちとエルサレム
使徒たちはエルサレムで聖霊の注ぎを待った ルカ24:49
宣教のスタート地点としてのエルサレム 使徒1:18
ペンテコステに3000人が信じる。 使徒2:41
厳しい迫害が起きた。 使徒8:1

6、滅びた都
70年、ローマのティトゥスにより143日間包囲され、60万人のユダヤ人が殺される中で
エルサレムは陥落した。

7、永遠の都
理想化されたエルサレム イザヤ1:27、2:3
終末のエルサレム 黙示14:1、21:1~2