2、パレスチナの気候

パレスチナの気候も南カリフォルニアの気候とよく似ている。夏に雨はなく、降るのは冬。南東の強い風が吹くとカリフォルニアでは山火事になるが、パレスチナでは同様な風を東風と聖書では呼ぶ。

1、亜熱帯気候
パレスチナは、地中海性気候と砂漠性気候の過渡的地域に属し、亜熱帯気候と考えることができる。

2、雨と四季
冬が雨季。寒く、雨が降る。
日本の梅雨とは違い、2、3日雨が強く降ると、晴天に戻る。空気が澄んで山がよく見える。
申命記11:14「先の雨と後の雨」(雨季の始まり、雨季の終わりを意味する)
<先の雨→10、11月>小麦・大麦の種まきに必要。<後の雨→3、4月>小麦や大麦の収穫を左右する。
降れば大雨になる。エズラ10:9「大雨のため震えていた」(11~12月ごろ)
マタイ7:24~27「砂の上の家」のたとえは、冬の雨による洪水を想定している。
ホセア書6:3「後の雨のように、地を潤される」
北部で雨が多く、南部は少ない。地中海向きの斜面は雨が多く、東向きは少ない。

夏は雨がない。晴天が続く。
6月中旬から9月中旬まで雨が降らない。風は西または北西の風。
夜になると気温が下がり、湿った空気が露となって地に注ぐ。これにより植物は生きる。
ホセア6:4「あなたの誠実は朝もやのようだ。朝早く消え去る霧のようだ」
創世記27:28「天の露と地の肥沃」、士師記6:36~38<ギデオンのテスト>
ホセア14:5「わたしはイスラエルには露のようになる」

3、風
パレスチナの気候は、冬と夏に大別され、春と秋はその間の短い移行期間。
移行期の春や秋に吹くのが東風。アラビア砂漠から吹く、強烈な熱風。
現在、東風はイスラエルで俗に「ハムシーン」と呼ばれる。これはアラビア語の「50」に由来し、年間50日くらい吹く風。欧米人は「シロッコ」と呼び、聖書では「東風」と書かれる。
春の東風は、冬に育った青草を枯らす力がある。イザヤ40:6~8「草は枯れ、花はしぼむ」
詩篇48:7「東風でタルシシュの船を打ち砕かれる」


4、雨量・気温
海岸部分の年間平均降雨量は500ミリ、ユダの山地で600ミリ、ヘルモン山で1500ミリ。南部では、エイラトで15ミリ、ネゲブ中央部で100ミリ、エリコでは150ミリ。
(熊本の年間降雨量は1989ミリ、東京は1460ミリ。カリフォルニアのガーデナは330ミリ、アーバインは290ミリ)

エルサレムの最高気温は29.7で夏の平均気温は25.4度。冬の最低気温は、5.2、冬の平均気温は13.2度。